かっこうはダカンの作品の中でも特に愛されている上品で優雅な小品です。右手が16分音符で速くメロディを弾くのに対し、左手はかっこうの鳴き声を真似た音型を奏しているロンド形式です。全体的に滑らかに流れ動く中で、軽やかな感じがする、ダカンの描写風景がとても心惹かれる作品です。
このかっこうは、1735年パリで出版された「クラヴサン小品集第1巻」におさめらえている「第3組曲」の1曲目にあたります。又第2組曲の6曲目に「つばめ」を作曲しています。
ダカンに限らず多くの作曲家が鳥の描写をしています。ダカンはクープランやラモーと並ぶ18世紀フランスバロック音楽を代表する作曲家でした。その作品は絵画的、描写的色彩がとても強いものでした。