ベーゼンドルファー社は、1928年イグナッツ・ベーゼンドルファーにより、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、リストなど音楽史に名を残した作曲家を送り出した「音楽の都ウィーン」で創立されました。
創業者のイグナッツ・ベーゼンドルファーはウィーン生まれの職人で、19歳の時、オルガン奏者のヨーゼフ・ブロットマンに弟子入りし、弟子の中でも徳に優れていたといわれています。当初から良質で完成度の高い技術力で評判を得ており、1839年には、オーストリア皇帝から初めて「宮廷及び会議所御用達のピアノ製造者」の称号を授与されました。
そして、ベーゼンドルファー社のピアノを世に知らしめたのは、ロマン派の偉大なる作曲家フランツ・リストです。リストは強靭なタッチのために、コンサートの度にピアノを演奏不可能にしていましたが、初めてベーゼンドルファーのピアノを使用した演奏会で見事に大成功をおさめました。このことをきっかけに、リストの名声とともにベーゼンドルファーの名は世界中に知れ渡っていきました。