リュートは古代エジプト時代に発生し、中世からバロック期にかけて、ヨーロッパで流行した古典的な撥弦楽器です。ギターの祖先のような楽器です。ペルシアのウードが起源とみられています。
共鳴胴とこれについた棹にまたがって平行に弦が張られ、指ではじいて演奏します。胴はマンドリンのように丸く、弦数は12~13世紀には4本でしたが16世紀には古典的な複弦6コースのリュートが完成し、その後付加弦をもつ10~14コースの楽器ができました。
リュートは大きく2つに分類されます。ルネサンスリュートとバロックリュートです。この2つはほとんど同じに見えますが、調弦(調律)が違います。ルネサンスリュートは6コース~10コース、バロックリュートは13コースのものが多く使用されています。
1600年頃からフランスで合理的な調律が研究され、ミーントーンの調律からバロック調律が確立されました。ルネサンスリュートが大きく改良されたものがバロックリュートなのです。17世紀初期は11コースだったのですが、次第に13コース、14コースへと巨大化していきます。